2011年8月20日土曜日

心と心のつばぜり合い

『おおきく振りかぶって』でお馴染みのひぐちアサ先生の、もうひとつの代表作と思われる『ヤサシイワタシ』を立ち読みしてきました。以前から薦められていたので。




確実に『おお振り』とは違った空気感です。
ですが、『おお振り』と共通する事項もあります。それは登場人物の心理描写の細やかさです。




大学生ならではの危うい人生観、登場人物の抱えたバックグラウンド、人との係わり合いの難しさ。
これらが折り重なって紡がれる会話の一端一端が、とてもひりひりする。触れたら火傷しそうなくらいに。




このお話は、共感できる人とそうでない人でハッキリと分かれると思います。
家庭や個々の内面部分で闇を抱えない人はいないと思いますが、それにどこまで囚われれるかは相違が出てくるはずです。中でも思いっきり闇を抱えた二人が主人公なので、人によっては暗い物語に見えてくるやもしれません。




個人的には共感する部分が多かったです。
会話のシーンで所々どもったり、本意を伝えてるのに相手と分かり合えなかったり、とにかくコミュニケーション下手な人物が四苦八苦してる様には、自分を重ね合わせたりしました。




同時に、自分とはかなりかけ離れた言葉を持ち合わせていることに、違和感を覚えたのも確かです。
同じ立場だったら、あそこまで饒舌に、自分の言葉で話せるかどうか、少なくとも現在進行形の自分には無理な、経験による言葉を駆使した、自分の言葉で語れる人間の会話が展開されていたのも事実。ヒロインは破滅に向かうのだけど、その行動のすべてを否定できない自分がいました。




もし大学生がこのブログを見ていたなら、ぜひとも読んでいただきたいマンガとして紹介させていただきます。それ以上を過ぎても、それより前でも、きっとこの焦燥感に似た「何か」は味わえないはずだから。




人を沈ませるには格好のマンガですねコレは。
んで、『ヤサシイワタシ』で落ち込んだ後は、『おお振り』をよんでスカっとしましょう。救いがなければ、救いを求めましょう。少なくともノンフィクションの感情って、そういうバランスで成り立ってるはずだから。

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